仕事を選んだ理由

私の生まれ育ったこの町は、東京でも下町といわれ、木材商、大工さん、金物屋さん、塗師屋さんなど多業種の職人さんや商店の集まっていた所です。
今、現在は少なくなり、マンションや一戸建て住宅が多くなっています。

私は小学生の頃から、よく父に製材所に連れて行かれ、丸太を製材するところを見い
てました。父は木材の勉強の為ではなく、いたずら坊主のヒマつぶしのために連れて
行ったのだと思いますが。
私もトラックに乗る事や、丸太が何本と積み重なった上で遊ぶ事がとても
楽しみでした。
その上、飴やビスケットなどをもらえたのですから。
 

小さい頃から、祖父、父の仕事を自然と見ていた私は、木から何でも作ってしまう
不思議さに目をひかれ面白そうな仕事だと思い、職人になるなら若い時から技術を
身に付けるのが良いと心に決め高校を卒業後、家業の指物職人への道をえらびました。
              

                            
                                                                               
                     むかしの仕事場風景
                                

私の祖父は小学校三年生で東京・台東区根岸の指物師の家に弟子入りし

昔は親方のところに住み込み、雑用をこなしてから一人前に仕事を
教わったそうです。小学校三年生で親元を離れ、休みは月二回しかなかったのです。
それを祖父から聞かされた時はショックでした。
仕事を教わる事の厳しさは、今の時代では考えられません。
そんな厳しさを乗り越えて来たからこそ出来る、きっちりとした作品と人間付き合いができた祖父をかっこいいな〜と憧れました。
私が仕事をはじめた頃は祖父から、5年ぐらいおそわりました